鍼灸師になりたい方への豆知識【鍼灸師で食べていけるか編】
【鍼灸師で食べていけるか編】
鍼灸師の資格だけで実際に食べていけるのかをざっくりとまとめてみました。
結論から言いますと、鍼灸師の資格だけだと経済的に辛いと思います。なぜかと言いますといくつか理由はありますが、需要と供給のバランスの問題です。後、鍼灸師の保険利用は柔道整復師やマッサージ師に比べて使いづらい部分があります。
需要と供給の問題ですが、鍼灸師の資格保有者がかなり増えています。学校が増えるにつれて、合格者も毎年3000~3500人前後になります。昔は学校の数に制限がありましたが、撤廃されからは増加傾向にあります。只、それに伴い国家試験は年々難しくなる傾向にもあります。因みにマッサージ師の学校は数に制限があり、毎年合格者は1200~1500人前後です。
実際の求人数の方ですが、柔道整復師やマッサージ師に比べて少ない傾向にあります。給与面も安めなところが多いです。なかには高いところもありますが、応募者が多いと考えられますので、高いスキルが必要だと思われます。
保険利用の話ですが、細かく説明すると話が長くなってしまうので、ざっくりと書きたいと思います。柔道整復師の先生は医師(保険医)の同意がなくても保険の請求ができます。鍼灸師とマッサージ師は医師の同意がないと保険の請求ができません。
更に鍼灸師とマッサージ師では保険の適用に違いがあります。鍼灸師は保険請求できる疾患が決まっています。更に医師が治療してる疾患名と被ってた場合は、医師の治療が優先されるので保険請求できなくなります。
一方マッサージ師の方は保険請求ができる症状に対して決まっています。疾患名ではありません。この場合は症状に対しての治療になりますので、疾患名で被ることはなくなります。結果、医師からの同意が得やすくなります。
保険適用の観点から3つの資格で比較すると、どうしても鍼灸師は制限が多くなります。実際に鍼灸は実費治療してるところが多いです。只、その反面少数派ですが訪問鍼灸で保険をうまく利用してやっているところもあります。
上記の通り鍼灸師だけの資格だとどうしても経済面で辛くなってしまいます。じゃあどうしたら良いのかとなると思います。鍼灸師(専科)だけの学校ではなく、鍼灸マッサージ師(本科)コースがある学校がお勧めします。別々に取るより費用や時間面でかなりお得になります。
或いは費用は掛かりますが、柔道整復師の資格を取ってから鍼灸師の資格を取ります。鍼灸科と柔道整復師科が一緒にある学校でしたら割引制度があったりもします。このパターンで取ってる人も多いです。
最初はマッサージ師や柔道整復師の資格で経済面を安定させつつ、鍼灸師の腕を上げていくのが現実的かと考えます。鍼灸師だけだと経済的に辛くて元のサラリーマンに戻る人も多いです。